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「奇跡の脳」を読んで・・

2019.08.01

ジル・ボルドー・テイラー著「奇跡の脳」を読んでみました。

なんという本だったことでしょうか?

今までも、癌とか様々な病気を克服する人の話は読んでいましたが

この本はそれら全てを凌駕するような内容でした。


何がそうかと言うと、テイラーという脳科学者が37歳という若さで、

生まれつき動脈の形状に異常がある障害を持っていたことで、ある朝

彼女の脳の血管が破れ、脳内に出血してしまう。

・・そして自分が脳卒中に見舞われてしまったことに気づくのです。


そして、自分の心の働きが失われてしまう「脳卒中」という悲劇に見舞われながらも

「これまで何人の科学者が脳の機能とそれが失われて行く様を内側から研究したことがあるっていうの」

と、そのさ中に自らに問いかけ、その科学的意義を考えようとするのです。


人間の根幹の部分である脳を壊すとは、私達が自分自身だと思っている部分を破壊することで

それはものすごいリスクを背負うことですが、増してそれを人の役にも立てようという

何という人生を創造してきたのかと思いました。

これは脳科学を学び携わってきたテイラーさんにしかできないことです。

わたしはそのテイラーさんの崇高な魂に打たれました。


最初は脳卒中が起きてから「壊れていく姿」をドキュメント映画タッチで書いているので

ドキドキ、ハラハラしながら読み進めました。


左脳が完全に壊れた人がどのように感じ、どのような扱われ方を望んでいるのか、

人を思いやるにはどんな言葉がけや、心の働かせ方が良いのか、

羽毛のように繊細になった心の動きが手に取るようにわかるのです。


わたしが思いやりの極致のように感じたシーンがありました。

それは、離れて暮らすお母さんのGGが初めて病室で寝ているわが娘を見舞って、

一瞬で全てを理解して、彼女の寝ているベットのシーツをたくし上げ、

そのベットに横たわっている娘の傍らに入って、わが娘をひしと抱きしめるのです。

神々しいような美しいシーンです。


その母の介護もあって、幼子が初めて言葉を覚えるような過程を通して徐々に回復の道をたどるのです。


その後、言葉を通して世界を認識し、分析する左脳の働きが失われることによって、右脳が顕在化し、

「神様、今わたし、宇宙と一つなの。ずーと続く流れの中に溶けちゃった。私の魂は自由に祝福の川の流れに乗るはずなの・・」

いうような至福的な状況を体験し、世界観の深さ、広がりを持つようになっていくのです。


私達の人生に起こっていることは全て、スクリーン上の映画のように、自らが創造したものであると言われます。

余り仲の良くない隣家から意地悪を受けたように感じたことも、行きずりの人から突然罵声を浴びたような出来事も全てです。

私達は、自分がそんなことを創ってきたなんて信じられない・・とどこかで思ってしまったりします。

でも、並木良和さんは「全部起こることは自己責任です」とはっきりとおっしゃいます。

〔そこで自分を責めることとは違います・・)

しかし、そのことを テイラーさんは

「左脳が回復するにつれ、自分の感情や環境を、他人や外部の出来事のせいにするほうが自然に思われてきました。

でも、現実には、自分の脳以外には、誰も私に何かを感じさせる力など持っていないことを悟ったのです。

外界のいかなるものも私の心の安らぎを取り去ることはできません。それは自分次第なのです。

自分の人生に起きることを完全にコントロールすることはできないでしょう。

でも自分の体験をどうとらえるかは、自分で決めることなのです。」

と脳の観点からいみじくも言及されています。


そして、回復途上では次のようにおっしゃっています。

「脳卒中の直後に自分がどんな状態だったか、いつも思い出し、自分は何て幸せなんだろうと思うのです。

そして、蘇らせてくれようとする脳に、日に何千回も感謝するのです。

ありえないような体験をしたせいで、人生に感謝する時間を惜しまなくなりました。」

そして、テイラーさんは8年の歳月をかけて回復されます。


この本は脳科学者が書いた脳の専門書であると共に、万が一脳を壊した時のリハビリの手引書でもあり、

また、魂の存在であるわれわれがどう右脳的広がりを持った自他一体の世界観を構築していけばよいのか。

また、感情は90秒でコントロール可能であるとかいうことがわかって興味が尽きない本です。

ご一読をお勧めします!

 

 

 

 

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